コンクスの仕事 / 洋服ができるまで
生産管理
1、サンプル打ち合わせ
はじめはお客様から発注書を頂いて、そこから生産に必要な情報をコンクス独自の指示書に落とし込みます。
お客様からの発注書では工場が作業をするには情報が足りないことも多いので、考えて必要な内容を加えます。
そこを補完して効率よく仕事が回るように考えていきます。
職人の視点
サンプル依頼の段階で、量産することを想定して生産工場を選定します。
例えば、職人が1人でやっているような工場に大きいロットの案件は難しい。
工場の得意不得意・サイズ感に合わせたちょうど良い仕事を割り当てます。
2、仕様・型紙・付属の確認
次にパタンナーと仕様・型紙をチェック・修正し、
型紙と生地・付属(ボタンやファスナー、タグなど)を揃えて工場へ渡します。
仕上がったサンプルの仕様を確認して出荷します。
職人の視点
お客様からの抽象的な要望を具体的に工場が作業できる状態まで落とし込みます。
どんな資材を使うという指示はあっても、どこにどのように使うかまでの指示はない場合が多く、指示が雑では工場は作業が出来ません。
例えばステッチが同色ではない場合、どこにどの色糸を使うのかを明確にします。
細かな部分ではありますが、ここで手を抜いてしまうと商品の出来は大きく変わってしまいます。
3、量産生産
お客様の展示会などを経て、量産の発注となります。
サンプルの時点で生産を依頼する工場の算段はつけてあるので、
サンプルと量産での仕様変更連絡と共に工場さんへ発注。
仕上がった製品のボタン付けや検品を行ったのち、出荷・納品して完了です。
職人の視点
準備していても、もの作りの過程で問題が起こらないことはまずありません。
問題が起きた時は常に消費者目線で対応をするよう心掛けています。
お客様に何か言われるからではなく、自分が購入する側だったらどう感じるか。この視点を持って工場と一緒に対処を考えます。
パタンナー
1、支給パターンの確認・修正
アパレル側から支給されるパターンには、工業的な要素が欠けている事も有ります。
そのまま工場に渡せば、無駄な確認作業をさせて迷惑をかけてしまうので、
お客様からパターンを預かったら、必要な情報が足りていない箇所を埋めていきます。
職人の視点
パターン上の寸法が仕様書通りになっているか。
表地の指示が抜けていたり、裏地や芯地をどこに使うのかなどディティールが記載されていないことも多いので、事細かに確認します。
お客様ごとに注意するポイントが異なるので、お客様の特徴を全て頭に入れておきます。
縫製現場の気づきに頼るのではなく、誰が見ても間違いのない作業が出来るパターンに仕上げます。
2、マーキング
パターンで作成した各パーツを、生地に無駄がないように収める型入れの作業を行います。
生地は材質によって幅が異なる為、生地の幅に応じて入れ方を調整します。
上手くパーツをはめ込むことで生地を無駄なく使うことが出来ます。
マーキングはコスト形成の為の非常に重要な作業です。
職人の視点
机上では上手くハマっていても実際の生地は、温度や湿気によっても縮んだりするので、そこは過去の経験から計算しています。
毛の流れのある生地や、柄が左右非対称な生地では入れ方を間違えると製品がすべて台無しになる場合もあるので特に気をつけます。
3、製品チェック
先上げサンプル(量産工程で一番最初に作成したもの)があがってきたら、製品が指示通りになっているかを確認します。
決められた仕様の通りになっているか細かく確認して、複数のチェックポイントにマークをしていきます。指示通りでない点があれば工場さんに修正してもらいます。
同じように量産品も納品前にも再度チェック。
修正点がきちんと直っているか改めて確認し、問題がなければ納品となります。
職人の視点
過去に製造した商品のリピート生産であっても、生地が変わっていれば縫い代をはじめ様々な調整を施しています。
毎回新しいものを作るようなものなので、問題が起こらないことはほとんど有り得ません。
その中でどうやったら100%に近づけるか、常に考えて作業をしています。